はじめまして。
しぎょう循環器内科 院長の 執行 秀彌(しぎょう ひでや) です。
当院では、循環器専門医として高血圧・心不全・動脈硬化といった生活習慣病を中心に診療していますが、日々の診療の中で、
「もしかすると“睡眠”が関係しているのでは?」
と感じる患者さんに数多く出会ってきました。
◆ 睡眠の質が“血圧や心臓の健康”に直結することも
例えば、薬をきちんと飲んでいるのに血圧がなかなか下がらない方。
問診の中で「いびきが強い」「朝起きてもスッキリしない」「日中に眠くなる」などの症状を伺い、在宅検査で
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が見つかるケースは少なくありません。
実際に、CPAP(持続陽圧呼吸療法)を導入したことで、
- 朝の血圧が安定した
- 頭痛や倦怠感が軽くなった
- 集中力が戻り、仕事のパフォーマンスが上がった
という変化を実感される方が多くいらっしゃいます。
◆ 【循環器専門医が行うSAS治療】の強み
睡眠時無呼吸症候群は、単なる「いびきの病気」ではなく、
動脈硬化や心臓の負担を進行させる“全身の病気”です。
夜間の酸素低下と血圧上昇は、血管内皮を傷つけ、
- 動脈硬化の進行
- 不整脈(心房細動など)の誘発
- 心筋梗塞・脳卒中リスクの上昇
を引き起こします。
この点こそ、循環器専門医がSAS治療に関わる最大の意義です。
心エコー・頸動脈エコー・CAVI(血管年齢検査)などの動脈硬化評価を並行して行うことで、
SASによる血管へのダメージを早期に察知し、心臓・血管トータルでの予防管理が可能になります。
つまり、
「いびき」だけを診るのではなく、
「心臓と血管の未来」まで見据えて治療する。
これが、循環器専門医によるSAS治療の最大の強みです。
◆ 睡眠を整えることは、全身の健康を守ること
繰り返す無呼吸によって酸素が不足し、夜間の血圧上昇や心拍変動を引き起こすことで、
高血圧・不整脈・心不全・脳卒中といった循環器疾患のリスクが高まります。
循環器専門医として、私はこうした「夜の異変」が昼間の病気を悪化させていることを数多く見てきました。
逆に、睡眠の質を改善することで、高血圧をはじめおおくの動脈硬化疾患の薬を減らすことが可能になるケースもあります。
◆ 「眠り」を整えると、人生が変わる
「歳のせい」「疲れているだけ」と思っていた慢性的な眠気や集中力の低下の背後に、
睡眠障害が隠れていることは決して珍しくありません。
正確な検査と治療によって、
- 朝スッキリと目覚める
- 仕事中の眠気が減る
- 家族との時間がより快適になる
そんな生活の質(QOL)の向上を実感される方が多くいます。
◆ 在宅でできる簡単な検査から始めましょう
当院では、通院の負担を減らすため、自宅で行える睡眠検査を導入しています。
就寝時に小型の測定器を装着するだけで、呼吸の状態・酸素濃度・いびきなどを詳細に解析します。
検査結果は循環器専門医が総合的に判断し、
必要に応じてCPAP治療や動脈硬化評価を組み合わせて、最適な治療計画を立てます。
治療導入後も、血圧・脈拍・心電図などを連携管理し、心臓を守る治療を継続します。
◆ 最後に
このページをご覧いただいたことをきっかけに、
ご自身やご家族の「眠り」について少しでも関心を持っていただけたら嬉しく思います。
「眠りを整えることは、命を守ること。」
あなたの睡眠と心臓を守るお手伝いができること――
それが、私たち医療者にとって何よりの喜びです。
しぎょう循環器内科 院長
執行 秀彌(しぎょう ひでや)
循環器専門医/総合内科専門医