40代の男性。

10年以上、高血圧の薬を3種類飲んでいましたが、血圧はいつも150～160mmHgと高めのままでした。
「これ以上薬を増やしたくない」と、食事や運動も頑張っておられましたが、なかなか下がりません。

診察の際に、奥さまから「夜中にいびきが大きくて、息が止まっていることがある」と教えていただきました。
念のため自宅で行える睡眠検査をしたところ、一晩に40回以上も呼吸が止まっていることがわかりました。
重い睡眠時無呼吸症候群でした。

その後、CPAP（シーパップ）という機械を使う治療を開始。
寝ている間にマスクからやさしく空気を送り、気道がつぶれないようにします。

治療を始めて1か月ほどで、血圧は112／73mmHgと大きく改善。
日中のだるさや頭の重さも減り、仕事の集中力も戻ってきました。
今では薬の数も減り、生活の質がぐっと上がりました。

しぎょう循環器内科では、単に「いびきを治す」だけでなく、血圧や血管の状態も一緒に整えることを大切にしています。

50代の男性。トラックの運転をされている方です。

「昼間にどうしても眠くなって、ハンドル操作を間違えそうになった」と受診されました。

奥さまからも「いびきがすごい」「夜中に息をしていないことがある」と言われていたそうです。

自宅で検査をしたところ、1時間に60回以上も呼吸が止まっていることが判明。
酸素の値もかなり下がっており、体が酸欠状態に。
眠りが浅くなり、脳も体も休めていませんでした。

すぐにCPAP治療を始めたところ、2週間ほどで昼間の眠気がほとんどなくなりました。
運転中も集中できるようになり、仕事のミスも減りました。
その後、体調が良くなって運動にも前向きになり、1年で6kgの減量にも成功しました。

もし治療をしていなかったら、事故につながっていたかもしれません。
眠りの治療が、命を守ることにもつながる――そんな症例でした。

60代の男性。

「夜中に3～4回目が覚めてしまう」「朝起きても疲れが取れない」とのことで来院されました。
寝ている時間は十分あるのに、いつも体が重く、昼間もぼんやりしてしまうそうです。

お話をうかがうと、

• いびきが大きい
• 息苦しくて目が覚めることがある
• 夜中にトイレに何度も行く

といった特徴がありました。
自宅で睡眠検査をしてみると、1時間に約50回も呼吸が止まっていることがわかりました。

CPAP治療を始めると、

• 夜中に起きる回数が減った
• トイレの回数も減った
• 朝スッキリ起きられるようになった

といった変化が見られました。

「夜に何度も目が覚める＝年齢のせい」と思われがちですが、実は眠りの途中で息が止まっているせいということも多いのです。
眠りの質が良くなることで、血圧も安定し、体全体が元気を取り戻します。

60代の男性。

高血圧の治療で通院中でしたが、「最近、物忘れが増えた」「判断に時間がかかる」とのこと。
家族からも「いびきが大きい」「息をしていないことがある」と指摘を受けていました。

睡眠検査をしたところ、1時間に30回以上の無呼吸がありました。
寝ている間、酸素の値が何度も下がっていて、脳に酸素が十分届いていない状態でした。

CPAP治療を始めると、
昼間の眠気が減り、頭がスッキリするようになりました。
ご家族からも「最近、元気になった」「表情が明るい」と言われるようになったそうです。

実は、睡眠時無呼吸のある人は、将来の物忘れ（認知症）リスクが高くなることがわかっています。
眠りの質が悪いと、脳が休めず、記憶を整理する働きが弱くなるためです。

「年のせい」と思っていた変化の裏に、“眠りの問題”が隠れていることもあります。